会社が赤字になりそうなとき、社長の給料はどう決めますか?

こんにちは。
フロンティア総合会計事務所』の内園です。

 

気が付けば、今年も残りわずかとなりました。
12月は忘年会シーズンです。
ついついおいしいものを食べ過ぎてしまいがちなので、
上手く食欲をコントロールして元気に年を越したいところです。

 

さて、これまで何度か、
社長の給料の決め方
についてブログで紹介してきましたが、今回は
会社が赤字になりそうで、かつ社長が会社の経費を立替えている時
に絞った話をしたいと思います。

 

 

会社を経営していると、
順調に利益を出している「黒字」の時もあれば、
思うように利益が出ず、「赤字」になってしまう時もあります。

 

「赤字」になる時というのは、
「会社が資金不足に陥っている時」でもありますので、
「社長個人のポケットマネー」で「会社の経費を立替払い」するケースがよく見られます。

 

例えば、商品の仕入代金を社長のポケットマネーで支払った場合、
会社の帳簿には次のように記録されます。

「商品仕入 / 社長借入金」

 

「社長借入金」とは、「社長が会社の経費を立て替えている」状態、
会社から見ると「社長からお金を借りている」状態を意味します。

 

社長の給料を決めるタイミングが、たまたま「社長借入金がある」時であれば、
会社にお金を残すチャンスです。

 

具体的には、社長の生活費を「給料」ではなく「社長借入金」を返してもらう方法で受け取ります。

 

 

仮に、社長借入金が「500万円」あったとします。
社長の生活費が年間500万円必要な場合、
普通は「給料500万円」を受取ることがまず頭に浮かびますが、
この場合、「500万円の社長借入金」を返してもらう方が得策です。

 

では、
①「給料500万円を受け取る場合」と、
②「社長借入金500万円を返してもらう場合」
コストの比較をしてみましょう。

 

① 給料500万円を受け取る →「コスト:187万円
(内訳)
・社会保険料:150万円(会社負担:75万円、社長負担:75万円)
・所得税・住民税:37万円

 

② 社長借入金を500万円返してもらう →「コスト:0円

 

詳細は割愛しますが、同じ「500万円」でも、
処理の仕方で年間「187万円」ものコストダウンができるのです。

 

 

また、「社長の給料」は、
毎月同じ金額を受けとらなければいけない仕組みになっているのに対して、
「社長借入金」を返してもらう方法なら、
借入金の範囲内であれば、好きな額を好きな時に受け取ることもできます。

 

※注意点は、「赤字が見込まれる時」に②の方法を使うことです。
②の方法で会社のコストを減らすと、その分利益が増えて「法人税」が増えます。

 

「黒字の時」に②の方法を使ってしまうと、
「コスト187万円」が減る代わりに、
「法人税」が「144万円」増え、
コストダウンの効果が「187万円」→「43万円」になってしまいます。

 

しかし、「赤字の時」であれば利益が増えても、赤字と相殺でき、「法人税」は増えません。

 

 

社長の生活費の受取り方次第で、会社にお金を残すことができ、
そのお金が「赤字脱却」の手助けをしてくれます。
社長の給料を決める際、選択肢の1つに加えてみてはいかがでしょうか?」

 

会計士
香川県高松市の税理士・会計事務所
フロンティア総合会計事務所 内園 航

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2017年12月4日 3:52 PM フロンティア総合会計事務所
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